早期に始めた方がいい理由
1.脳の「成長期」を活かすために
多くの人は、中学生ぐらいの年代で一気に身長が伸びます。いわゆる「成長期」です。実はこうした急激な成長を遂げる期間が、脳にもあるのをご存知でしょうか?
脳の80%は3歳までに発達する
人間の脳の重さは3歳頃までに成人の約80%まで成長します。これは、この時期に急激に脳の神経細胞(ニューロン)やシナプス(神経細胞の繋ぎ役)の数などが増えるからです。
人間の脳には、大脳だけでも約140億個の神経細胞があると言われています。これらの神経細胞がうまく機能するためには、細胞同士を正しく繋いで神経回路を作る必要があります。ですが、実は生まれたばかりの赤ちゃんには、ほとんどこうした回路が配線なされていないのです!
ですから赤ちゃんは、生まれてから3歳頃までの間に、一気に様々なことを学習し、新しい回路を作っていきます。これほどの爆発的な成長は一生に一度しかありません。
さらに、脳は効率化を図るため、使わない神経細胞や回路はドンドン消しさります!ですからこの時期(脳の臨界期)に、いかに良質な刺激や経験をさせてあげられるかが、子どもの可能性を伸ばすためには非常に重要になってくるのです。
ただ、我が子がすでに4歳以上であっても肩を落とす必要はありません。人間の脳には生涯に渡って環境に応じて変化できる能力があるからです(脳の可塑性)。
2.変形や脱臼の予防のために
3.子どもの自立心を育てるために
脳性麻痺の小児科医、熊谷さん。脳性麻痺のバイオリニスト、式町さん。「五体不満足」の著者、乙武さん・・・。なぜ彼らは障がいを持ちながらも、ここまで活躍できたのでしょうか?親の支えがあったのは言うまでもありませんが、彼ら自身が前向きな心を持っていたことも大きかったのではないでしょうか?
では、どうすればこうした前向きな心、自分から動こうとする心、自立しようとする心を育てることができるのでしょうか?その鍵を握るのが、幼少期の親子関係なのです。
幼児期の母子関係が人格を基礎付ける
ありのままの子どもを受け入れて可愛がったり、子どもの発するサイン(要求)に気づいて応えてあげたり、積極的にスキンシップや対話をしたり。こうした親子の深い愛着関係によって、子どもたちは自分を価値のある存在だと信じられるようになり、自分を守ってくれる人がいると安心感を得ることができます。そしてその結果、前向きで肯定的な考え方を持つようになると言われているのです。
また、マクスウェル・モルツ博士(形成外科医)の発見した「セルフイメージ」の影響も見過ごせません。それは、「自分はこういう人間だ」と思い込むと、私たちは本当にそのような人間として振る舞ってしまう。というものです。そしてこの思い込みも、ほとんどは幼少期に刷り込まれたものなのです。
ですから、もしあなたが医師の診断を信じて「障がいがあるからこの子ができるのはココまで」とみなして接してしまったら、お子さんもそれを感じ取り、無意識にその枠に収まってしまう可能性があるのです。幼少期に親が子どもをどう見るか、子どもにどう接するかがとても大切なのです。
とは言え、親の悩みや不安は尽きないものです。だからこそ、親御さんにとっても支えとなる存在が必要ですし、一緒にお子さんの可能性を信じて、成長を見守るサポーターが必要だと思うのです。